最近、音楽はもっぱらSpotifyのストリーム再生で聴くことが多くなってます。
オフィス仕事中も自宅での仕事中も、車の運転中もSpotify。
おかげで大学を卒業して以来すっかり音楽と遠ざかっていた生活も、また音楽と密接に関わるようになり豊か&楽しくなったような気がする。
うちの妻も私が存分に音楽生活を楽しんでいる様子を見て
「私もSpotifyやりたい」
と。
音楽を意識するようになるとスタバにいるとき、ラジオを聴いているときなど、無意識に音楽へ注意が向くせいか、生活の中の「ふとした瞬間」に鳥肌が立つような自分だけの名曲と出会う確率もぐんと上がりました。
そして今はShazam(マイクから音を拾ってメロディやキーを解析することで、楽曲名を教えてくれる無料サービス)もあるので、聞いたこともないアーティストの曲に街中でバッタリ出会ってもその場で情報を入手することができるようになり、これがメチャクチャ役に立っています。
さらに・・・
物理的な在庫を持つ必要がないというWebの特徴を最大限に活かした「楽曲の取り揃えがハンパない」というメリット。
「昔大好きだったけどテープ(もしくはレコードやCDでも)を失くしちゃったし、原盤は絶版だから手に入らない」という作品でも検索すればかなりの高確率で見つかります。
そんな中、2年ほど前にラジオで流れている曲を聴いたときに全身に鳥肌が立っちゃって、その場でShazamで調べて知ったのがSleafordMods。
これもSpotifyのプレイリストに入れて毎日のように聴いています。
このSleafodModsという50代に片足を突っ込んだ中年オヤジユニットがメチャクチャにカッコいい。
まず、ジャンルはロックなのかパンクなのかラップなのかよくわからない
でも、独特で単調なリズムとミニマルなメロディに乗せながら、妙な動きに合わせてオヤジ臭漂うしゃがれた声で顔を真っ赤にして叫ぶ姿をひと目見れば、このオヤジが相当ムカついていることは英語に疎くてもすぐにわかった。
「職探し!」「職探し!」とシャウトする傍ら
「あなたはこれまでにどのような仕事で社会に貢献してきたのでしょうか?」
「はい。ずっと家でオナニーをしてました」
「クソっ!」「死ね!」
BBCの地上波でも平然と暴言を吐き捨てる中年ボーカルと、その横でPCのマウスを一度クリックして打ち込み音源を再生したきり何もせずにひたすらビールを飲むだけの相方に釘付けです。
このSleafordModsの風格からして、昔からUKでは相当に有名な人たちを単に自分が知らなかっただけだろうと思った。
ところが調べてみるとここ数年にリリースされた情報以外出てこない。
日本語のメディア情報を漁ってみるとこんなことが書いてあった
ぼくは日本におけるスリーフォード・モッズ過小評価を覆すためにライナーノーツの執筆を引き受け、書いた。
(中略)
だいたいこのぼくに、20代、30代とちやほやされたことのなかった人間の燃え上がる魂を、どうして否定できようか。
Wikipediaを調べても、
(ボーカルの)ウィリアムソンはモッズ文化にインスパイアされ、様々な音楽グループに参加したり、ソロのシンガー・ソングライターとして活動したが、それらが成功を収めることはなかった。
そうか、彼らはこれまでにどうにもうまくいかなかった全てのことに対して、どうしようもなくムカついているのだ。
過去に報われなかった境遇にも政治にも、周囲の人間に対してもムカついて仕方が無いのだ。
やっぱり心の奥底から湧き上がるネガティブな感情とネガティブパワーはボクにとっては映画や音楽には必須アイテム。
愛だの夢だの世界平和だの感謝だの、高尚で理屈として正しいこと”だけ”を表現した作品なんて興味が持てないし共感もしない。
純粋さや人としての正しさを表現されるほど、ボクにとってはなぜか信用できない。
いや、言い過ぎました。
”正しさ”をアーティストに求めてどうすんだ?!という冷めた身勝手な気持ちもあるけれど、たぶんそこまで自分自身が人間として成長していないだけなのだとも思う。
それでも蓄積してきた「過去」「怒り」という正しくない方向に向けられたひねくれた感情をストレートにぶつけられると、
今度はそこに素直なエネルギーのようなものを感じてしまう不思議。
そんな気持ちにさせてくれるSleafordModsは以下↓
ま、英語わかんないから何を言ってるのかほとんどわからないんだけど・・・
でもカッコいいわぁ・・・
この記事へのコメントはありません。