「日本不良映画年代記」という面白く怪しい本を読んでみました。
「ビーバップ・ハイスクール」「爆発!ナナハン族!」「パッチギ!」「ガキ帝国」「狂い咲きサンダーロード」・・・
20年前の若者の情報源はマンガとテレビと映画。しかも自分が学生時代の不良映画はマンガを原作に映画化したものが多かったから、「不良映画」が若者に与える影響力は絶大だったと思う。
その証拠に自分が学生だった1990年代初頭は、クラスで一番モテるのは間違いなく不良でしたから。
それだけ「不良」ってカッコ良かった。
中学生当時一番カッコ良くてモテたのは、ビーバップ・ハイスクールから出てきたようなボンタンに短ラン、髪型はリーゼントか光GENJI風サイドバックでした。
その頃の自分の華々しい写真が無いのが残念です。眼鏡に七三分けの(ある意味)極悪スタイルでブイブイいわせていたあの頃が懐かしい。
そして高校に入る1991年頃になると時代はチーマー。アメカジならぬ渋カジが一瞬大流行したあと、更に大学に入る1995年頃にはチーマーはサーファー・ギャル男に変貌、シボレー・アストロやビュイックのようなデカくてワルいアメ車に乗るのが最先端でした。
でもこの頃には「不良」という呼び方は殆どされなくなってしまっていた。「不良」と呼べたのはおそらく「ビーバップハイスクール」の頃が最後だったように思います。
この頃には「不良」という言葉はすっかり影を潜め、呼び方は「ヤンキー」という言葉に変わってきた。
そして、このヤンキーという言葉にはどこか「時代遅れ」「ダサい」というバカにしたような意味合いが少しずつ侵食するようになってきた。
それでもやっぱり「不良」は物語には欠かせない。オシャレで平和なカフェが舞台の物語ばかりじゃ面白くない。面白くあるためには不良の存在は必要なのかと。
「日本不良映画年代記」には、1950年代から2015年までの代表的な不良映画を取り上げて、各作品の出演者や監督のインタビューで当時の舞台裏や時代背景を語るシーンがすごく面白いです。
やっぱり自分にとって思い出深いのは年代的に言っても「ビーバップハイスクール」。
実はこの映画自体にはそれほど夢中にはならず、ヒロシとトオルのボンタンと短ランとリーゼントに憧れたのでした。
そしてホンモノの不良たちをオーディションして出演させたのは、この作品が初めてなのではないかと思う。
テレビドラマの「ハイスクール落書き」もリアルなホンモノ不良が出演して話題になったけど、ビーバップよりも後ですもんね。
ちなみに、ヤンキーの髪型ってなぜか後ろ髪が長いでしょう?
あれを初めてやったのが、ヒロシ役の清水宏次朗だそうです。
眉毛を剃ってリーゼントにしているから俳優仲間にや先輩に笑われて、苦し紛れに後ろ髪を伸ばしたらヤンキーのスタンダードになってしまったという・・・
そうそう。あまり良く知られていないような気もするけど、あの的場浩司も出演しています。眉毛を剃っていたから顔がモーレツに怖く、出演者たちからは「宇宙人」と呼ばれていたという・・・
下の予告編に一瞬だけ出てきます。
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